非破壊計測事業部

Acoustic Emission (以下AE)
アコースティックエミッション(acoustic emission,AE)は、「材料が変形したりき裂が発生したりする際に、材料が内部に蓄えていたひずみエネルギーを弾性波として放出する現象」と定義されています。この弾性波を材料の表面に設置した変換子すなわちAEセンサで検出し、信号処理を行うことにより材料の破壊過程を評価する手法がアコースティックエミッション(AE)法です。圧力容器、ダム、建物、道路、飛行機、自動車等、さまざまな構造物、設備の亀裂や摩擦摩耗の進行を破壊することなく評価することができます。また、漏洩、腐食、放電などの現象でもアコースティックエミッション(AE)が発生し、これを検出することにより配管の漏洩や腐食、変圧器の部分放電などを評価できます。
JSAのAE検出システムは、高感度のAEセンサーと広帯域・低ノイズのプリアンプを採用し、バックエンドの高精度データ収集システムと分析ソフトを組み合わせることで、以下の分野で広く応用できる:
石油化学工業における各種容器、高温反応器、塔器、熱交換器とパイプラインの検出と構造完全性評価、常圧貯蔵タンクの底部漏れ検出、バルブ漏れ検出、埋設管路漏れ検出、腐食状態の事実検出、海洋プラットフォームの構造完全性モニタリング。
電力工業における変圧器部分放電の検出、蒸気管路の検出と連続監視、バルブ蒸気損失の定量テスト、高圧容器とドラムの検出、蒸気管路の連続漏洩監視、ボイラー漏洩の監視、蒸気タービン翼の検出、蒸気タービン軸受の運転状況の監視。
材料試験における複合材料、強化プラスチック、セラミック材料と金属材料などの性能試験、材料の破壊試験、金属と合金材料の疲労試験と腐食モニタリング、高強度鋼の水素脆化モニタリング、材料の摩擦テスト、強磁性材料の磁気音響放射テストなど。
基礎建設分野におけるコンクリート橋梁、クレーン、トンネル、ダムの検出、セメント構造のひび割れと拡張の連続監視など。
金属加工業界における刃物の摩耗と破壊の検知、研削ホイールまたは整形装置とワークとの接触の検知、修理整形の検証、金属加工過程の品質管理、溶接過程のモニタリング、振動検知、鍛圧テスト、加工過程の衝突検知と予防。
交通運送業における長管トレーラー、道路と鉄道タンクローリーの検出と欠陥位置、鉄道材料と構造の亀裂検出、橋梁とトンネルの構造完全性検出、トラックと列車のボールベアリングとジャーナルベアリングの状態監視、列車の車輪とベアリングの破断検出。
航空宇宙・航空産業における航空機の時効試験、航空機の新型材料の入荷検査、完全構造または航空機の疲労試験、翼皮下の腐食検査、航空機離着陸機の原位置モニタリング、エンジン羽根とヘリコプター羽根の検査、航空機のオンライン連続モニタリング、航空機ケースの破断検査、航空機の検証性試験、ヘリコプタ・ギヤケースの変速の過程モニタリング、スペースシャトル燃料タンクと爆発ボルトの検出、スペースシャトル発射フレーム構造の検証性試験。

Ultrasonic Testing(以下UT)
超音波の発生は探触子といわれる物を使用します。この探触子の内部には超音波の発生、受信を行う振動子が組み込まれています。 探触子を試験体に当て超音波を発生すると音波は試験体の内部を伝搬し、キズが無い場合、超音波は底面で反射し(エコー)再び探触子に戻ってきます。
途中にキズがあると底面より先にキズからのエコーが探触子に戻ってきます。このエコーを探傷器に表示される図形で捉え、キズの有無や位置を評価します。